2011年11月06日

studio talk「アーティストとスタジオ」番外編その4

最終回の今回は、グルーヴからチューニングについて、そして最後に
渡辺さんから世の迷えるドラマーに参考にしてほしいお言葉を
いただきました。ご覧ください!
(撮影:桧原勇太)

interview_02_058.jpg

渡辺:ドラムをやってて、まぁ、ベースもそうだろうけど、グルーヴって
テクニックうんぬんじゃないから、あらかじめ持っている人は持ってるし、
感じ取れない人はやっぱりいるし、それを定義づけるってなかなか
大それたことをやろうとしてるとは思うんだけどね(笑)

velvet room studio(以下、vrs):なるほど。いろんなジャンルの
音楽があって、でも、それぞれのジャンルの中にも気持ちいいと
思える瞬間は必ずあって。
よくグルーヴってブラックミュージックの中で語られることが多くありますが、
そうじゃなくて、どのジャンルの音楽でも当てはまるものだと思うんです。
その辺りはどうなんでしょう?

渡辺:そうだね。例えば、音楽の中に縦ノリ横ノリってあるじゃない?
で、グルーヴって横ノリとして言われることが多いんだけど、
縦ノリのグルーヴももちろんあるから。ドラムでも8ビートを横ノリで
叩くのと縦ノリで叩くのとでは、まったく違うニュアンスだし。
でも、それを叩きわけても、その違いがまったくわからない人もいるのも事実で。

vrs:確かに。高校生の頃の自分にはさっぱりわからないと思います(笑)

渡辺:だね(笑)でも、それをわかるようになるためには、いろんな音楽を
聴かなければいけないと思うし。

vrs:そうですね。前にスティーブ・ジョーダンのDVDを見た時に
普通に8ビート叩いてるだけなのに、何かすごくニュアンスの違いが
はっきりしてるのにビックリして! 何なんですかね、あの存在感…。

渡辺:あそこまでいくと卑怯だよね(笑)
でも、それを黒人だからとかいっちゃうと日本人としては
悲しいじゃないですか。だから、何で違うのかっていう理由は
絶対あるので、それを血のせいにしないで(笑)
奏法として表現していきたいんだよね。

vrs:そうですね。それを方法として提示してもらえたら、とても
ありがたいですね。

渡辺:例えば、リンゴ・スターとか幸宏さんのようなドラムって、
1音1音がばっつり切れて聴こえるんだよ。
でも、スティーブ・ジョーダンのようなドラムは、1音が長い。
同じフレーズでも区切り方を変えると違って聴こえる。
それを叩く側が意図的に叩き分けることができると、伝わり方がぜんぜん
変わってくると思う。

vrs:そういえば、僕が一番始めに山背さんにモーラーレッスンを受けた時に、
スネアを叩く位置がバラバラで、それまで真ん中ら辺を狙うのがベストと
思っていた自分にはすごく衝撃だった覚えがあるんですが、
あれも音の長さに大きく関係してますよね?

interview_02_061.jpg

渡辺:昔からよく「スネアに5円玉置いて狙って叩きなさい」
とか言われてるけど、その練習方法を根本から覆してるよね(笑)
実際、ドラムの真ん中って音が詰まるんだよね。
特に均一にチューニングされていると余計に。

vrs:僕が思うに、真ん中を叩くと中低域が鳴って、アタック感が強く感じるんだと
思うんですよね。だから、真ん中を叩く方がいいと思うんじゃないかなと。

渡辺:なるほど。ただ、スネアを叩くとその音の波動がスネアサイドにぶつかって
まっすぐ打面に帰ってくるので、その跳ね返りを聴くことに
なるんだけど、ずっと同じところを叩いていると、結局そのスネアサイドからの跳ね返りと、
次に叩いた音がそれぞれ打ち消し合ってしまうので、あまり音量を感じられない
結果になってしまうんだよね。音が詰まって楽器本体が鳴らない感じっていうのかな。

vrs:なるほど。山背さんにせっかくスネアの打面もこんなに広くあるんだから、
どこ叩いてもいいですよって言われた時、少し安心した面もあり、不安もありで(笑)

渡辺:その叩き方を覚えて、音色を変えることができるようになると、ドラムセットを
どんどんシンプルにできるようになるよ。
極端な話、ドラムセットがなんでもよくなる(笑)
どんなドラムセットでもオレの音出すよってなれる。僕もそれが最近わかってきて。

vrs:すごいですね…。

渡辺:だから最近ドラムの機材を持ち歩かなくなってしまって(笑)
スタジオでのリハーサルの時とかスティックしか持っていかない。
ライブ前のリハでなければ、最近はスネアもペダルも持っていかないし。
音の出し方がわかってきたから、下手に機材がたくさんあると迷ってしまって。
でも、ここ数年になっての話だけどね。

vrs:なるほど…でも確かに、僕も昔スタジオで働いていた時に、
そのスネアでこんな音出るの!?とかっていう場面には何度も遭遇しました。
5インチでも6.5インチみたいな音を出すドラマーさんもいれば、ピッコロみたいな
音を出す方もいたり。叩き方次第なんだなと思って。

渡辺:でも、逆に機材に頼り過ぎてしまっている人もいるじゃないですか。
それってうまくなるペースが少し遅くなってしまうんじゃないかとも思って。
自分をあまり磨かなくてもある程度鳴ってしまったりするとね。

vrs:そうか、逆にそうなってしまうのか。

渡辺:そうそう。昔は自分もソナーのドラム欲しいな、とか思ってたけど、いま
そういうのぜんぜんないからね(笑)

interview_02_050.jpg

vrs:確かにうちのスタジオのこのセンシトーンとオールドのラディックのスネアじゃ、
音は違いますけど、それぞれおいしいポイントってありますからね。
それを使い分ければいいんじゃないかって思うところはありますよね。

渡辺:僕はもう普段のメンテナンス含めいろいろたいへんなので、
オールドのドラムに手を出したことはなくて。
僕が一番始めに買ったスネアはメイプルのピッコロスネアなんだよ。
理由は簡単、「軽い」から(笑)音色とかで選んでないっていう(笑)
でも、そのスネアのおかげでだいぶチューニングはうまくなったよ。

vrs:僕も一番始めに買ったスネア、YAHAMAのピッコロだったんですけど、
チューニングが難しかった印象が大きいです。
チューニングボルトが短いせいか叩いてるうちに外れてしまったりして。

渡辺:僕が買ったのはTAMA製で、ラグが通常10のところ、
そのスネアは11あったので、スイートスポットが点じゃなくて面になるっていう、
いまはもう売っていないタイプなんだけど、チューニングはしやすかったよ。
でも、ピッコロだからある程度は難しいんだけどね。

vrs:そうなんですね。

渡辺:でも、昔、先輩のドラマーがそのピッコロのスネアをレコーディングで
使いたいっていうから貸したことがあって。で、それを先輩の師匠のプロの
ブルースのドラマーの人が「このピッコロはよくチューニングできてる」って
褒めてくれたみたいで、すごくうれしかったんだよね。
っていうか、先輩、自分でチューニングしなかったのかよ!
っていうオチもあるんだけど(笑)

vrs:僕は中学の時、吹奏楽部でティンパニをやっていて、
いつも先生にチューニングを怒られてたクチで(苦笑)
そこで思ったのが、きっとドラムにもそういう風に決まった音程とかあるんだろうなって
こと。昔よくタムを回してこの曲になればいいとかありませんでした?

渡辺:あった!(笑)僕らの頃は競馬のファンファーレ。
「パパパ、パンパカパ、パンパカパ、パパパパー」ってヤツ。

vrs:そうそうそう。そんな通説を妄信的に信じてやってましたけど(笑)

渡辺:そういえば、DWのセットの内側にはキーが書いてあるんだよね。
そこに合わせると一番鳴るよっていう。ということはやっぱりそれぞれのドラムには
適切な音があるってことだよね。でも、いいと思うポイントは人それぞれだから
正解はないと思うけど。

vrs:へー、それは初めて聴きました!そうなんですね。

では、そろそろ時間なので、最後に悩めるドラマーにアドバイスをお願いします。

interview_02_052.jpg

渡辺:そうだな。悩んでる時は逆に何もしないっていうのもひとつの方法かも。
全く叩かない。音楽以外のことを夢中でやったりして。
そうするといずれ叩きたくなるんだよね。僕は結構そういうことが多くて。
例えば新しいフレーズとかにチャレンジしててうまくいかない時とか、
今日はこれ以上やっても無理だなと思ったら、何日間か寝かせてみて、
で、何日か後にふと思い立ってやってみると自然にできたりすることが割とあって。

vrs:へー、なるほど。ちなみに何日くらい?

渡辺:3〜4日くらいかな。たぶん何も考えていないようで
どこかで意識してるんだろうね。
例えば、ドラムも一番最初はうまく叩けなかったじゃない?
でも、どこかとどこかの神経がうまくつながって叩けるようになるでしょ?
だからガムシャラに練習するのもひとつだけど、手を抜くというか、休み休みやることも
必要なのかなって思うんだよね。
あとは、表現みたいな段階で悩んでるとしたら、他の人のライブを観てみるのも
いいと思う。自分とぜんぜん違うタイプのドラマーが叩くのを観てみたりすると、
こういうアプローチもあるのかとかとか新な発見につながったりして。

vrs:確かに。

渡辺:あとは人の曲のコピーはたくさんやった方がいいと思う。
いきなり好き勝手叩いてもやっぱり引き出しが少ないと似たようなフレーズばかりに
なってしまうし。
しかも、ライブ盤とかと聴いた直後のテンションが高いうちに叩いてみたりすると、
それっぽく叩けたりするんだよね(笑)
だから、ある意味成り切るっていうことも試してみるといいかも。

vrs:メトロノームを使った練習とかってどうですか?

渡辺:うーん、ひとりでっていうより、さっき言ったバンドでクリックの裏を取るって
練習はアリだと思うんだけど、あれもある程度できるようになったら、
必要ないと思うし。逆にやりすぎて、クリックないと叩けなくなるのはよくないかな。
あっ、あとスタジオで練習する時に注意してほしいのが、最初にドラムのセッティング
をしてからそのセットに合わせて叩いてしまう人が割と多くて。
ドラムセットに自分が合わせに行くってことはよくなくて。
ドラムセットは自分を表現するためのひとつの道具で、道具は使って成り立つもの。
自分のドラミングに合わせたセッティングで叩くべき。
ある程度経験が必要かもしれないけど、その意識は持っててほしいかな。
それと、道具はたいせつに使いましょう!

vrs:それはスタジオ経営者として切にお願いしたいです!(笑)

-----

あとがき

以上をもちまして渡辺さんとの対談は終了です。
長い中断もありましたが、最後までお付き合いいただいた方々、
本当にありがとうございます。

対談を通じて、終始、渡辺さんがおっしゃっていたのは、ドラマーたちが
モーラー奏法についてできるだけ正しい情報を取捨選択できるように、
自分たちでも勉強してほしいということでした。
正しい知識でないことで、体に優しいと思って取り組んでいたことが
返って体を痛めることにつながってしまっては元も子もない。
時間も場所も限られてしまうが、それでもいまでは全国的にモーラーを
学べる機会が増えてきているので、ぜひ一度ちゃんとしたレッスンを
受けてみてほしい。自分もできるだけ多く人にマンツーマンで
指導してしていきたいということでした。

僕が以前に渡辺さんのレッスンを受けていた時に感じたのが、
ドラムというひとつの楽器に「奏法」という面から別の見方を教えて
もらったことで、より深く、より長くドラムとの付き合い方を教えて
もらえたなということ。対談の中にもありますが、
特に自分のドラムの音が優しくなったと感じました。
当初、ドラムのヘッドの音がほとんどだった体感音に、ドラムの胴鳴りが
加わるようになって、本当に叩いていて気持ちがいいです。
ドラムセットを中低音に囲まれて叩ける高揚感を
ぜひ他のドラマーの方にも味わっていただきたいなと思います。

今回のブログの内容について、もっと詳しく聞いてみたいと思った方は、
ぜひ一度渡辺さんのレッスンを受講してみてください!

最後になってしまいましたが、2時間近くも熱く語ってくださった渡辺晋さん、
スタジオを所狭しと駆け回って、素敵な写真にまとめてくれた
カメラマンの桧原勇太さん。本当にありがとうございました!
ドラム愛は永遠に不滅です(笑)


■velvet room studio drum lesson
渡辺さんによるドラムレッスン、生徒さんの人数も徐々に増え、好評開催中です!
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ぜひご検討ください!
場所:velvet room studio
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内容:モーラー奏法をはじめ、生徒さんの要望にあわせたレッスンです。

料金:5,000円/1時間

時間:1〜2時間/月1回

形態:個人レッスン

※11月のドラム無料体験レッスンですが、先月から事前にいただいていた
予約分で定員に達してしまいました。
改めて来月12月分を募集しておりますので、
お早めにスタジオまでご連絡ください。
【次回の無料体験レッスンの日程は未定です。
 決まり次第スタジオWEBサイトやtwitter、Facebookページにて
 発表致します。】

■Information
【イージーレコーディングサービス開始のお知らせ】

 2011年11月よりNorthernスタジオを、
ご予約いただいたお客さま(個人練習を除く)を対象に、
スタジオ料金のみで簡易のレコーディングを致します。
普段の練習時と同じセッティングで、各パートをそれぞれ録音し、
さらに簡易的にミックスも致します。ご予約時にお申し付けください。

※参考例:ドラム(最大マイク5本)、ベース(ライン)、
 ギターアンプ(マイク)、キーボード(ライン)、ボーカル(マイク)
※集音マイクの種類等、録音機器、録音方法、ミックスについては
 スタジオスタッフの判断で行われます。
※ご予約時間内に音源をお渡しするため、
 ラスト30分間は作業時間としていただいております。
 作業時間内の録音はできかねますので、ご了承ください。
※Mixerに立ち上げたマイクおよび楽器類については2chにまとめられるため、
 お客さまの楽器構成によっては、マルチトラックでの録音が
 できかねる場合もございます。ご予約時にご確認ください。
※お客さまに受け渡す録音音源はCDRのみと致します。
 1枚は無料サービス、2枚目以上は1枚100円でご用意致します。
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2011年10月23日

studio talk「アーティストとスタジオ」番外編その3

三回目の今回は、どうやったらリズム感がよくなるか、などなど
渡辺さんの持論をお話いただきました。ぜひ参考にしてみてください。
(撮影:桧原勇太)

interview_02_059.jpg

velvet room studio(以下、vrs):僕ひとつ疑問に思ったことがひとつあって、
ちょっと前に坂本龍一さん監修の「スコラ」というテレビ番組に
高橋幸宏さんが出演されていた時に、※オープンリムで叩かれていて。
で、オープンリムってスネアの打面を力で押さえるような打法ですが、
これをモーラーでやることってできるのかなと思って。

オープンリムショット:スティックの先端がヘッド面を打撃すると同時に、
手前の部分がリム(枠の部分)にも当たるように振り下ろすことで、
独特の甲高い打音が得られる打法(Wikipediaより引用)

渡辺:できますよ。スネアの打面を叩く時のスティックの当てる角度を変えて、
リムにいっしょに当てればいいんです。押さえつける必要はなくて。

vrs:振り抜くってことですよね?でも、押さえつけないで、
ああいったダッダッって止まったような音になるんでしょうか?

渡辺:幸宏さんの場合は、 完全に止めてミュートも加えて、
あまり※サスティンが出ないように叩いてますよね。
ただ、あれは幸宏さんのスタイルなので。
モーラーの場合は、押さえつけずに、ドラム自体の鳴り最大限に
引き出すような状態をイメージしているので、
例えば、バスドラにしても、ビーターで打面を押さえつけるのではなく、
オープン奏法で叩くことによってサスティンを伸ばすイメージかな。

サスティン:発音動作によって楽器が音の発生を開始した後に
聞こえる余韻を指す(Wikipediaより引用)

vrs:なるほど。

渡辺:サスティンをいかに長く伸ばせるか、というか楽器自体をいかに
鳴らすことができるか、これがモーラーを会得する上でのひとつの
目安になるかな。ただ、これが目的ではない。
何故かというと、叩く人が自分がやりたい音楽によって
各々が求めるサウンドは違うと思うので。
別にモーラーで叩いても、ドラム自体をテープとかでミュートして叩けば
幸宏さんのようなサウンドに近づけることはできるし。

vrs:なるほど。自分が叩く時にミュートしなくても、そういう処置をすれば
同じようなサウンドにはなりますもんね。

渡辺:止めて叩くことが悪いのではなくて。
ただ、長いサスティンを出す方法を会得した上で、止めて叩くのと、
止めて叩くことしかできないとでは、選択肢も変わってくるし、
別の次元での話になってしまうよね。

vrs:そうですよね。逆に力で押さえつけるのは誰でもできるけど、
サスティンのコントロールはモーラーを会得してないと難しいことですもんね。

渡辺:あと、叩いた時のサウンドも、割とその楽器が本来持ってる中低域の
ふくよかな音がより出るようになったり、音量も上がって、
さらに聴いててイヤじゃない音なんだよね。

vrs:そうなんですね。

渡辺:だから、レッスンしてて、生徒さんの叩く音が気持ちいい音に
変わっていくのを聴くと、こっちもすごくうれしくなるんだよね。
そう、その音!みたいな(笑)

vrs:あっ、でも渡辺さんに教わってて、やっぱり音にはすごく敏感に
反応されたかも。「あっ、いまいい音になってきましたね」とか言われた
気がします(笑)

渡辺:だって、やっぱりイヤなものはイヤだし(笑)
これは、生徒さんのためでもあり、自分のためでもあるという(笑)

vrs:なるほど(笑)

interview_02_041.jpg

渡辺:でも、初心者の人はまずドラムを叩くこと自体が楽しいでしょ?
叩いて、その音が体に響く感じをできるだけ多く体感した方がいいよね。
それをやってるとやってないじゃ、ぜんぜん違ってくると思う。
例えば、週に一度練習に入るようなバンドにいるんだったら、
その代わり個人練習は週に何度か入るようにした方がいいと思う。

vrs:渡辺さんはドラムを始めた時ってどんな練習をしてたんですか?

渡辺:僕は最初BOOWYとかジュンスカのコピーをしてましたよ(笑)

vrs:うちら世代の王道ですね(笑)

渡辺:でも、最初ドラムセットがなくて、素振りをしてる期間が長かったせいか、
初めてドラムを叩いた時に8ビートは叩けたんですよ。

vrs:えーーーっ、マジですか!? すごい!

渡辺:そうそう、いきなり曲ができたんですよ。

vrs:No New York的な(笑)

渡辺:そうそう、B・Blueとかね(笑)
でも、その時は効率のいい叩き方なんて知らないから、
1曲叩く度に腕パンパンにして(苦笑)

vrs:その時に人に習おうとは思わなかったんですか?

渡辺:人に習うっていう概念がなかったかな。

vrs:確かに僕も最初は遊びの延長っていう感覚だったし、
何かそれを人に習ってしまったら、楽しくなくなるんじゃないか、
っていう恐怖感みたいなものは持っていたかもしれないですね。

渡辺:そうだよね。僕もこのままやってたら、ドラム叩けなくなるって理由で
習い始めたし。必要に迫られてだよね。でも、自分でうまくなったかもって
感じるようになったのって、実は人に教えるようになってからなんだよね。

vrs:そうなんですか!?

interview_02_068.jpg

渡辺:そうそう。人に教える時って基礎を何度も教えるでしょ?
さらに自分でお手本を見せたりするじゃないですか?
そうすると自分も繰り返し繰り返し基礎をやることになるわけですよ。
ということは、基礎がより盤石なものになっていくわけです(笑)

vrs:なるほど!(笑)

渡辺:ライブとかやってても「うまいッスね」って別のバンドのドラムの人に
言われることも増えたし。でも、それって音質が変わったことが一番
影響してるんだと思うんだよね。そんなに難しいことをやってなかったりするし。

vrs:ふむふむ。

渡辺:やっぱりバンドってリズム隊が要じゃないですか?
ドラムが下手なバンドはしょぼく見えてしまうし。

vrs:そう考えるとつくづくドラムって損な楽器ですよね…。

渡辺:確かに。ちゃんとやって当たり前ってね(笑)
かつそんな目立つわけでもないっていう。

vrs:間違いでもしたら大事になっちゃいますもんね(笑)

渡辺:だからかもしれないけど、ドラムやってる人って
基本的にいい人多いよね。

vrs:(笑)
確かに割と何言われても気にしない人多いですよね。

渡辺:そうそう。おおらかな人が多いよね。

vrs:O型の人とか向いてるんじゃないかと思って。

渡辺:僕O型だよ。

vrs:キターーー、生まれながらのドラマー(笑)

渡辺:(笑)
ところで、性格とは全く違う話だけど、リズム感を良くする方法って、
レッスンの時教えましたっけ?

vrs:いいや、聞いてないと思います。

渡辺:単純にクリックで裏を取るっていう練習なんだけど、
それを個人でやればいいのかっていうと、そうでもないんだよ。
例えばバンドで練習しているとして、メンバーそれぞれのリズム感のレベルが
違うとすると、バンドのリズム感のレベルが一番低い人のレベルに
そろってしまうんだよね。

vrs:おっと、それはマズい状況ですね。

渡辺:やっぱりうまい人っていうのは、その一番低い人に合わせることが
できるんだけど、その一番低い人は自分より高いレベルの人には
合わせることはできないので、結局その底辺で合わせることになるっていう。

vrs:なるほど。

渡辺:だから、リズム感を上げる練習は、ドラマーだけじゃなくて、
バンドメンバーそれぞれがやらないといけないことなんだよね。
でも、バンドのグルーヴが出ないとかよくドラマーのせいにされがちなんだけど、
実は原因はそこになくて、そのメンバー間のリズムへの理解が共有できていない
ことだったりするんだよね。

vrs:そうか…。

interview_02_051.jpg

渡辺:で、最近、山背メソッドではグルーヴを理論的に定義付けていこうとする
試みがあって。

vrs:えっ、グルーヴをですか?

渡辺:そうそう。グルーヴって人それぞれ解釈が違っていたり、曖昧なものに
なってたりするんだけど。なぜそれを人が聴いていて気持ちいいと思うのか、
それを理論的に説明していこうとしてるんですよ。

vrs:グルーヴ理論!!!

渡辺:そうそう。それはおいおいレッスンの中で紹介していこうと思います。

-----

第三回はここまで。次回はいよいよ最終回。
渡辺さんから世の迷えるドラマーやアーティストの方に参考にしてほしい
お言葉をいただいております。次回もお楽しみに!

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2011年10月09日

studio talk「アーティストとスタジオ」番外編その2

この夏、ありがたいことにレコーディングのお話をたくさんいただき、
なんだかんだで2ヶ月近く期間が空いてしまいました…。
続きを楽しみにしていた渡辺ファンの方々、たいへん申し訳ありません。
また今回から再開致します!

二回目の今回は、渡辺さんがどうやってモーラーを習得していったのか
その経緯と併せて、渡辺さんのドラムを始めた頃までさかのぼって、
お話いただきました。ご覧ください。
(撮影:桧原勇太)

interview_02_008.jpg

渡辺:思い返すとモーラーって結構地道な基礎練習が必要で、基礎ができた上で
いろいろ積み上げていかなきゃいけない。
まぁ、楽器をやるなら、何でもそうだと思うんだけど、モーラーの場合、特にそうで。
なので、やっている内に「いまやってる練習って役に立つのかな?」って
懐疑的になる瞬間があるんです。やっぱり結果が出るのが先なので、
自分ができるようになって初めて
「あっ、あの頃の練習ってやっててよかったんだ」って思えるので、
ある程度の忍耐力が必要かも(笑)

velvet room studio(以下、vrs):(笑)
でも、渡辺さん、先ほど、スタジオで個人練習とかしないって
おっしゃっていたじゃないですか?
モーラーを始めたばかりの頃はどうやって練習していたんですか?

渡辺:その頃は、こういうとあれだけど、ドラムセットじゃなくてもできてたというか。

vrs:あ、なるほど。練習台とか。

渡辺:そうそう。腕の動きとかひたすらやるので。
でも、音質の変化が絶対あるので、最終的には生ドラムを使う必要はあるんです。
最初は叩いて耳だけで判断していたものを、あるタイミングから叩いた後の
振動というか、体で感じられるもので判断する必要があって。
でもそれは、生ドラムでないとわからないもので、
それを確認するのに、個人練習に入るのは大切かな。
僕はモーラーを習い始めた頃すごく忙しいバンドをやっていたので、
モーラーの習得とバンド活動を並行してました。
なので、バンド練習でみんなが休憩しにいってる時におさらいしたりとか。
で、動きがよくなってきたら、実際バンドで演奏する時にも使ってみたりと
そんな風にやってたかな。

vrs:じゃあ、最初はモーラーとそれまでの奏法が混在してたってことですか?

渡辺:そうそう。腕がよくなってきたら腕の動きを変換するというか、
徐々に置き換えて、足はまだなので、そのままで、とか。
そうすると、だんだん慣れていくでしょ?
僕は結構無理矢理だったんですよ。必要性にかられてやっていたので。
モーラーを習得しないと体がツラいし。

interview_02_027.jpg

vrs:それがプロフィールページにも書いていた
年間100本ライブしてた頃ですか?

渡辺:そうそう。なので、その時はどちらかというと個人練習に入っている
暇がなかったよね(笑)一週間に5日バンド練習でスタジオにいたので。

vrs:ラ、ライブも含めですよね?

渡辺:いや、練習だけで。毎回3時間くらいやってたかな。

vrs:週休二日のうち一日はライブ、みたいな…。

渡辺:ホントそうだった。
なので、いま思うとすごく追い込まれてやってたのかなって。

vrs:その時の練習場所は以前おっしゃっていたメンバーの方のご実家の
空きビルですか?

渡辺:いや、その頃は違う。空きビル使ってたのは高校生の時。
何故か知らないけどサッカー部のメンツで(笑)
軽音楽部とかじゃぜんぜんなくて、みんなサッカー部(笑)
みんなでバンドやりたいってなって、ドラムがいないってよくありがちな(笑)

interview_02_024.jpg

vrs:出た、ドラマーあるある(笑)

渡辺:別にドラムに興味もあったので、無理矢理じゃないけどね(笑)
で、練習場所があるっていうからいっそのことセット買っちゃおうって。

vrs:えっ、じゃあ、マイドラム持ち込みで?

渡辺:そうそう。でもホント入門用の安いセットだったけど。
シンバル、ベロベロみたいな(笑)

vrs:YAMAHAでもPearlでもないみたいな?(笑)

渡辺:いや、一応TAMAだったのかな?(笑)
でも、一番下のランクのやつ。
それを買って持ち込んで。でも、その時も一日置くらいで練習してて。

vrs:えー、そうだったんですね。やるな、高校生(笑)

渡辺:その時はスタジオ代もかからなくて、でも生ドラムは叩けて。
いい環境でしたね。
その頃はまだ誰にも教わったことがなくて、モーラー習うまでは独学で。
でも、ドラムやってるとどこか体が痛いなとか疲れるなとか出てくるじゃない?

vrs:はい。

渡辺:当時からそれを自然と回避していたらしく、足はかかと振ってたんだよ。

vrs:えっ、それモーラーの動きじゃないですか?

渡辺:そうそう。こんな踏み方してるヤツいないよなって思いながら、
でもこれが楽なんだよなって。で、モーラーを習い始めたら、
動きがすごい似てたので、これでよかったんだって思って(笑)

vrs:すごいですね!?
僕もドラムずっとやってましたが、そこに行き着きませんでしたけど(笑)

渡辺:根本的に体に「ツラい」とか「痛い」っていうのが
基本的に根性なしなので、ダメで(笑)
なので、反射的にそういう考えに及ぶんだと思うんだよね。

vrs:なるほど。

渡辺:なので、腕の動きとかも最初教わった時、
わりと早くできるようになって。まぁ内回転とか特殊なものは別だったけど。

vrs:じゃあ、渡辺さんの叩きたいフォームの理想型がモーラーだった
ってことなんですかね?

渡辺:そうなのかな...そうなのかも。
だからいま思うと、ドラムを始めた頃に先生について習ってたら、
逆にダメになってたかもしれない。

vrs:なるほど。
でも、日本人って「型」の文化って好きじゃないですか?
僕も昔、書道とかやっていて、いくら字がうまくても、
書き方がダメって注意されることもあったりして。
僕は割と斬新なフォームで(笑)書いてたりした子どもだったので、
いつも先生に怒られてました(笑)

渡辺:実際には体が求める動きとか、
それに沿った方が本当はいいんだと思うんだけどね。
ただ、それを無理矢理矯正する根拠をあまり聞いたことなくて(笑)
ドラムも教則本とかにもジャーマングリップとかフレンチとか書いてあるけど、
何でこの持ち方なのかっていう理由はどこにも書いてないじゃない?
そこに何も疑問を持たずに受け入れてしまっていいのか?って
思っていたりもして。だって実際この叩き方だと腕ツラいし。

vrs:ふむふむ。

interview_02_032.jpg

渡辺:僕は初めて観た教則ビデオがポンタさんので。
あのお方はどちらかというと天才肌じゃないですか。
なので、おっしゃってることが結構感覚的で。
で、この動きを10万年やれ、とか言ってる腕の振りがモーラーに近くて。
ポンタさん、その振りを教わったかどうかはわからないけど、
いま思うとあの動きモーラーじゃん!って(笑)

vrs:やっぱり天才でしたね(笑)

渡辺:でも、ドラムの教室とか行くと、
まず脇を空けるのがダメって言われるみたいなので。

vrs:まさに型ですね。

渡辺:結局教えている人がそういうものだって、教えてるからね。
だから、僕の師匠の山背さんはそういう文化を変えて行こうとしているわけです。
あとは僕を始め、山背さんの弟子たちがYOU-TUBEに動画上げたり、
徐々に広がるようがんばっている感じなんですが、
巷でモーラー奏法として上がっている動画の中には、「これホントに楽?」
っていうものも結構あって。
だから、それを見る側がそれを判断する力を身につけてほしいんだよね。

vrs:モーラーというキーワードは広まっているのかもしれないですが、
正しい情報をどう受け取っていくかってことですね。

渡辺:まぁ、どれが間違っていて、自分たちが教えているものが正義だって
ことを言いたい訳ではないんだけど、ただ体が楽か楽じゃないか、
そこで判断して、あとは叩く人がどれを選んでいくかってことになると思う。

vrs:そうですよね。
僕も習い始めの時は、「それだとちょっと余計な力入ってない?」って
渡辺さんに言われても「そうかな…?」って感じでよくわからなくて。
でも、次のステップに進んだ時に、「あっ、入ってた」って気付くんですよ。
なので、やっぱりわかってる人に見てもらう機会は必要だと思います。

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第二回はここまで。次回はどうやったらリズム感がよくなるか、などなど
渡辺さんの持論を語ってもらっています。お楽しみに!

■Information
渡辺さんの行っているドラムレッスンですが、次回10月20日(木)に予定しています。
当日は19〜20時で無料体験レッスンも行います。
1名の募集ですが、ご希望の方は、ぜひス​タジオまでご連絡ください。

■velvet room studio drum lesson
渡辺さんによるドラムレッスン、生徒さんの人数も徐々に増え、好評開催中です!
随時生徒さんは募集しておりますので、まずは無料体験レッスンを受けて
ぜひご検討ください!

場所:velvet room studio
http://www.velvetroomstudio.com/

内容:モーラー奏法をはじめ、生徒さんの要望にあわせたレッスンです。

料金:5,000円/1時間

時間:1〜2時間/月1回

形態:個人レッスン
posted by VRS at 22:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする